「環境×建築×DX」──東京の未来を支える「建築物環境報告書作成支援システム」開発
2026.04.14- DX推進
私たちの子ども世代が暮らす未来の都市は、どのような環境になっているのでしょうか。東京都では、毎年多くの新しい建築物が建てられ、都市の発展が続いています。その中で、より良い環境を次世代に残すため、さまざまな環境対策が積極的に進められています。当社ヘッドウォータースコンサルティングも、その一翼を担い、「建築物環境報告書作成支援システム」の設計・開発に携わりました。
今回は、脱炭素社会の実現に向けたこのシステムの開発について、プロジェクト担当の森國がご紹介します。
「建築物環境報告書制度」とは
東京都が推進する「建築物環境報告書制度」は、脱炭素化とレジリエンスの向上を図るため、大手ハウスメーカー等を対象に、新築住宅等の断熱・省エネ性能の確保や太陽光発電設備の設置等を義務付ける制度です。制度対象者は、毎年度、義務事項への取組状況等を記載した建築物環境報告書を東京都に提出します。
この報告書を各事業者が作成するにあたり、建物情報を入力・管理しやすいオンラインシステムが求められました。私たちはその「建築物環境報告書作成支援システム」の設計・開発を行いました。このシステムは、報告書の作成等を効率化し、制度の円滑な運用を図るものです。
Power Platformで構築する柔軟な基盤
今回のシステム開発では、Microsoft社のPower Platformを活用しています。これにより、建物の断熱・省エネ性能や再エネ設備に関する情報を一元管理できるプラットフォームを構築。特定供給事業者が簡単に申請・更新できるインターフェースを提供し、都とのデータ連携を実現しています。
また、既存システムデータの活用による入力作業の効率化や、複数担当者による報告書作成の支援機能など、現場のニーズに即した設計がなされています。
事業者との対話から生まれる改善
このプロジェクトのリーダーとして、私は開発の初期段階から関わってきました。制度の背景や目的を理解するところから始まり、東京都環境局との仕様調整、設計・開発、テスト、運用保守まで、すべてのフェーズに携わっています。
特に印象的だったのは、制度改正に対応できる柔軟性を持たせるための設計です。将来的な制度変更にも耐えうる構造を持たせることで、長期的な運用コストの低減を図っています。
システムは単なるツールではなく、使う人との対話から進化します。実際、事業者からのフィードバックをもとに、報告書作成時の自動入力機能やシステム内での提出機能、エラー通知の強化、ファイル取込の強化や性能改善など、数多くの改善や機能改修を重ねてきました。
また、TeamsやPlannerを活用したタスク管理や、OneDriveでの資料共有などにおいても、ただ「使いましょう」というだけでなく、理解しやすく、運用の負担が少なく、実行しやすいルールを作ったうえで、都を含めた開発チーム間のコミュニケーションも工夫しています。こうした取り組みが、プロジェクト全体の品質向上につながっています。
未来をつくる楽しみ
私はシステムを作っていくこと自体にわくわくするタイプの人間ですが、このプロジェクトは環境政策とテクノロジーが融合する最前線であり、社会的意義のある仕事に携われることに、大きなやりがいを感じています。
私たちは、ただシステムを開発するだけの会社ではありません。制度の本質を理解し、現場の声を聞き、技術で課題を解決する──そんな姿勢でお客様と“共に未来を創る”業務に取り組んでいます。